定年まえ最後の健康診断で肺の影がみつかり、診断にいたりました
約9年まえ、勤務先で定年まえ最後の健康診断を受けたところ、肺の影を指摘され、「肺MAC症かもしれない」と言われました。別の先生からは「大丈夫だと思うけど…」という話もありましたが、心配なので自宅近くの大学病院に紹介状を書いていただき受診しました。そこで胸部X線、CT、喀痰と、ひと通りの検査を受けたところ、「これは肺MAC症です」と診断されたのです。
経過観察で様子をみるものの血痰をきっかけに治療がはじまりました
診断当時は症状がなく、普通に生活ができていたので、しばらく経過観察をすることになりました。しかし実際はわたしが症状を自覚していなかっただけで、妻は以前からわたしがときどきコホンコホンという乾いた咳をするのが気になっていたそうです。
経過観察は1年近く続きましたが、ある日入浴中に血痰が出たため、これをきっかけに治療をはじめることになりました。
飲み薬の治療をしても少しずつ進行していきました
わたしは緑内障も患っており、本来3種類の飲み薬で治療するところ、そのうちの1種類が使えず、2種類で様子をみることになりました。
半年~1年で菌はなくなるだろうと思っていたのですが、そうはなりませんでした。薬の量を増やしたり、3種類目の薬として抗菌薬を加えたり、さらにほかの抗菌薬に変更したりしても、少しずつ進行していきました。
肺の影や症状の進行が早まってきたため吸入治療をはじめました
新しい吸入治療については、はじめる2年ほどまえに聞いてはいましたが、当時はだれでも受けられる状況ではないということだったので、飲み薬の治療を続けていました。しかしその1年後くらいから肺の影の状態の進行が早まり、くわえてちょっとした環境の変化で咳が出る、以前は何ともなかった自宅の階段の昇り降りで息苦しさを感じるなど、だんだん症状もつらくなってきました。そのため改めて先生に相談し、新しい治療をはじめることになりました。
吸入器の組み立てなどの操作はまったく問題ありません
吸入治療の導入にあたっては、前もって使い方のガイドブックを熟読していたので、実際の操作は特に問題ありませんでした。製造業界で機械のメンテナンスなどに携わる仕事をしていたので、機械の組み立てや取り扱いが経験的にわかるのも大きかったと思います。ガイドブックで疑問に感じたことは実際の操作で確認できましたし、わからないことは専用のコールセンターに電話することもできます。扱いが面倒だと感じる人もいるかもしれませんが、「習うより慣れろ」です。実際にやってみたら意外と簡単です。
神経質になりすぎず免疫を落とさない生活を心がけています
診断当時、先生から「この病気は長い付き合いになるので、気長にかまえ、神経質になりすぎず免疫を落とさないように心がけましょう」とアドバイスされました。
実際、菌がまだ陽性なので治療は続くのですが、あまりマイナスな気分にならないのは血痰が出なくなったこと、そして趣味の存在が大きいからだと思います。わたしはオーディオが趣味で、音の調整をはじめると何時間も夢中になって肺MAC症のことが忘れられるのです。病気にかかわらず趣味によって精神的に救われることは結構あるのではないでしょうか。
また生活面では、ごく当たり前のことですが、適度な運動、睡眠、食事をしっかりとって疲労をもちこさないように意識しています。
病気が治ったあとの目標をたてて前向きに過ごしています
肺MAC症とともに緑内障の治療も続いているため、かかりつけの眼科の先生と大学病院の呼吸器内科の先生が連携してくれているのですが、実は先生同士が知り合いだったことがわかったのです。わたしの肺MAC症が治ったら先生おふたりと一緒に快気祝いに食事に行こう、という話もしているので、ぜひ実現させたいですね。
また、妻には特に食事の面でサポートしてもらい本当に感謝しています。彼女の趣味が旅行なので、治ったら一緒にのんびり旅行することも目標です。