生活環境を見直す
生活アドバイス
日常の生活環境に潜む
NTM菌
NTM菌は、水や土の中など、わたしたちの身の回りに広く生息しています。その菌を含んだ水しぶきや土ぼこりを吸い込み、菌が繰り返し肺の中に入ってくることで感染が起こります。
そのため、日常生活を送るうえで、NTM菌をなるべく吸い込まないようにすることが重要になります。
身の回りに
広く生息しています
お風呂掃除のときには
マスクを
NTM菌のひとつであるMAC菌は、水中では40℃くらいで発育しやすく1)、とくに日本の家庭で一番問題になるのはお風呂です。お風呂につかるだけでは問題はありませんが、掃除をする際には注意が必要です。マスクを着用し、水しぶきを吸い込まないようにしましょう。
また、掃除用具にも菌がいる可能性があります。MAC菌は60℃以上で死滅するとされているので2)、掃除用具は60℃以上のお湯で洗う、スポンジは使用せず、古い布など使い捨てできるものを使用することを検討しましょう。追いだきをする習慣があるとさらに菌は増えやすくなるので、より注意する必要があります。可能であれば避けたほうがよいでしょう。
園芸・ガーデニングは
回数を減らしマスクを
園芸・ガーデニングなどの土いじりをする方は、土ぼこりを吸わないようにしましょう。とくに腐葉土の扱いには注意が必要です。土ぼこりが立つような作業は、回数を減らしたり、マスクをしっかりと着用して作業するなど、菌を吸い込むリスクを減らすための工夫を心がけましょう。
水しぶき、土ぼこりを
避ける工夫を
こんなときは
空気清浄機や
加湿器を使ううえ
で注意することは
ありますか?
空気清浄機については、あまり詳しいことがわかっていませんが、フィルターの掃除や交換をこまめにおこない、清潔を保つことが大切です。
加湿器は、超音波タイプよりも、スチーム式の方が水を加熱して気化させるため、それによって除菌され、より衛生的であるといわれています。ただし、水を追加するときには、タンクを十分に水洗いして、NTM菌などの雑菌が繁殖しないよう気をつけるようにしましょう。
スーパー銭湯や
プールなどを
利用しても
大丈夫ですか?
これらの場所にもNTM菌が生息している可能性がありますが、感染のリスクは高くはないので、趣味や旅行などでたまに利用する分には問題ないでしょう。
できるだけ清掃が行き届いている施設を選び、ジャグジーなどのしぶきを浴びるような設備の使用は控えた方がよいでしょう。
咳の症状が強く、
長時間口を開ける
のがつらいので、
歯医者に行くのが
心配です。
痰(たん)が多かったり、咳の症状が強い場合には、治療が困難なことがありますので、事前に医師に相談し、状況に応じて去痰薬や咳止め薬を処方してもらいましょう。
なお、歯科医師には、肺NTM症の治療中であることを伝え、体位によってつらいなどの症状がある場合には、あらかじめ伝えておきましょう。