「軽い咳だから」と最初は気にせずにいました
3年ほどまえに診断されました。
実はそのまえからしばらく夕方にコンコンと軽い咳が出るのが続いていて、何だろうとは思っていたのですが、咳以外に気持ち悪くなったり頭が痛くなったりすることがなかったので、そんなに気にしていませんでした。
ところがある日の夕方、ちょっと咳き込んだときに喉に何か詰まったのでティッシュに出して見てみたら真っ赤な痰だったのです。救急車を呼ぶかどうか迷うくらい主人と大騒ぎしたのですが、ほかにからだに悪いところはなかったので、翌日近くの病院を受診しました。
珍しい病気と知りショックでした
受診してから10日後くらいに検査結果を聞きました。
最初は非結核性抗酸菌症(ひけっかくせいこうさんきんしょう)と言われたのですが、聞いたこともない病名で覚えられないし、「何ですか?それ」という感じでしたね。通称“肺MAC症”だと聞いたので自分でも調べてみたところ、珍しい病気と知り、知り合いにもいないのですごくショックを受けました。
飲み薬でこのまま順調によくなればいいなと思っていました
軽い咳以外は特に症状がなかったので、しばらくは様子をみることにしました。
ただ最初の病院に呼吸器専門の先生がいらっしゃらなかったので、半年くらい経って大学病院に紹介されたのです。
そこでもう少し詳しい検査を受け、いまの主治医の先生に勧められて飲み薬の治療をはじめることにしました。
飲みはじめたらすぐに咳がとまり、胸のX線検査の結果もよくなってきたので、このまま順調にいけばいいなと思っていました。
追加の治療が必要になりました
3種類の飲み薬をしばらく続けていましたが、あるとき痰の検査で「生きている菌がみつかりました」と言われたのです。先生から「いままで飲んできた薬に菌が慣れてしまったかもしれないので、治療を追加しないといけない」と説明されたのですが、よくなっていると思っていたので落ち込みましたね。
でも治らないと困るので、飲み薬を続けつつ、別の治療を追加することになりました。
通院か自宅かふたつの治療選択肢がありました
追加の治療は、注射と吸入薬のどちらかを選ぶことになりましたが、注射は週2回通院が必要と言われたので、自宅でできる吸入治療をすることにしました。
最初は準備や片付けだけでも手間と時間がかかるし面倒そうだと思いましたが、慣れれば思っていたほど大変ではありませんでした。病院の先生や看護師の方を信頼して、素直に話を受け入れたのがよかったのだと思っています。
また、「家でわからないことがあったときには、病院にお電話ください」と先生にお話しいただいたり、専用のコールセンターもあったので、そういったサポート面でも安心して治療を続けることができたと思います。
いまでは以前と変わらない生活ができてます
吸入治療は続けていますが、お陰さまで症状が安定しているので、以前と変わらない生活が続けられています。根がのんびりしていて、あまり深く考えすぎない性格がよい影響を与えているように思います。
むしろ主人の方が、私の体調を気にして「大丈夫?」「疲れてない?」と声をかけてくれるなど、前よりやさしくなったかもしれません(笑)。
治療が終わったあとのことを考えると楽しみです
この病気になる前、私は毎年主人や子供、友人と旅行に行っていたのですが、コロナ禍とこの病気が重なってしまって、旅行なんてしばらく無理かなと思っていました。先日、旅行中の吸入時間を工夫することで、治療を休まずに、1泊の旅行に行くことができ、とても励みになりました。
少し前に娘のひとりが旦那さんの転勤で遠くに引っ越してしまったのですが、「治療が終わったら絶対に来てね」と言ってくれていますし、主人ともどこか旅行に行こうと話しているので、いまは治療が終わるのをすごく楽しみにしています。